今回は酸素吸入中の加湿についてです!これについては確固たる答えが出ていませんが…個人的考察を書いていこうかなと思います!


酸素吸入においての加湿は施設によって様々だと思いますが…一応メジャーなところから抜粋しますと…

となっております。院内での加湿方法は、下のような酸素流量計に加湿瓶を入れて滅菌蒸留水をいれるものや某メーカーから出ているワンタッチ型の加湿用滅菌水パックを接続するものではないでしょうか?




そもそも私が思うに・・・酸素吸入において5L/min以上の流量を必要とする患者さんはネーザルからマスクへ移行します。マスクに変更すると鼻腔に加えて口腔が存在するので積極的に加湿をする必要はないと思います。問題は・・・ネーザル。



私自身、ネーザルの酸素吸入を行ったことがありますが、3L/min程から鼻に違和感を感じました。耐えられないほどの違和感かと問われると実際そうではないですし…最初に提示した各学会の要項のように必ずしも必要ではないと思います。



さらに、数字的な要素でいいますと・・・某メーカーさんが販売している酸素流量計に接続する加湿用滅菌水パックがだいたい500ml程度です。この加湿用滅菌水パックを使用しているご施設の方はご存知の通り吸入酸素が1~3L/minなどではなかなか滅菌水のパック残量は減りません。


だいたい数日もつと思うのですが、ここでは仮に酸素3L/minで吸入し500mlの加湿用滅菌水パックが1日で無くなったとしましょう。この時にどのような加湿効果があるかについて考えてみます。


500mlの加湿用滅菌水パックが1日で無くなったと仮定するので1時間あたりの滅菌水使用量は・・・


500ml/24時間=約20ml/時間となります。実際、酸素の吸入指示は1時間あたりではなく1分間あたりなのでさきほどの時間あたりの滅菌水使用量を1分間あたりに換算していきます。


20ml/60分=0.3ml/分



となります。ようするに酸素を吸入している時に患者さんの鼻腔には1分間あたりに0.3mlしか水分は流れていないということになるのです。これって加湿効果があるといえるのでしょうか?


○か×の世界で言えば加湿しているということになるかと思いますが・・・実際臨床上は加湿効果はないと個人的に思います。


このことから、個人的な見解として・・・


「ネーザル酸素投与時の加湿用滅菌水効果は低く患者主訴があった場合は適宜加湿用水の使用を行う。」といったところでしょうか。


加湿用水パックを使用している施設はコスト削減にもなると思います。


やみくもに「必要ない!」というのもいけませんが、根拠だててみてみるとこのような形かと思います。


ともあれ最終的には酸素療法のデバイスや適応、加温加湿などのアセスメントをした上で患者さんと向き合って頂けたらと思います!