今回は集中治療現場で私達臨床工学技士が関わるCHDF(持続緩徐的血液濾過透析)のざっくりとしたお話です。


CHDFとは?

まず、CHDFとは何だということですが…腎不全に陥った患者さんは体内に毒素や水分が溜まってしまいますので腎臓の機能を人工的に代替えしてあげないといけません。一般的には慢性腎不全に体する人工透析はHDといわれていますが、急性腎不全というのは一過性なのでHDのような治療は行いません。


HDは週に3回行い、体内の水分除去も1リットル~3リットルほどの量をたった4時間で抜いてしまいます。しかし、急性期な患者さんは循環動態も悪くHDのように体内の水分を抜いてしまうと血管内ボリュームが少なくなってさらなる状態悪化を招く可能性があります。このことから急性期ではゆっくりと長時間透析を行うことにより循環動態への影響を最小限にしようとしたCHDFという方法がとられています。



CHDFを行う時のブラッドアクセス

CHDFを行うためには血液を体外に出し…さらに綺麗にした血液を体内に返すルートが必要です。そのためのルートを俗にブラッドアクセス(BA)と言います。このブラッドアクセスは、CV(中心静脈の大きなもの)と考えると分かりやすいのですが…首や太ももからカテーテルを入れています。

カテーテルの写真がこちら

(株式会社 林寺メディノールHPより引用 )

アクセス部位としてはこちら

(阪和記念病院HPより引用)


アクセスの準備ができたら機械と接続して治療を開始します。ブラッドアクセス赤(動脈側)から脱血し、血液回路を通りダイアライザーと言われる人工腎臓を出た血液は体内に蓄積すると害になる物質を除去して綺麗な状態でブラッドアクセス青(静脈側)から患者体内に戻されます。

この一連の過程を持続し行うためCHDFのC(continuous)がつきます。


なんだか長くなったのでここで一度終わり次の記事で血液を綺麗にするしくみについて紹介したいと思います。


パート2はこちらから
CHDFの基礎知識~パート2~