今回は徒手的補助換気装置……いわゆるバッグバルブマスクの正しい使い方を紹介します。というのも、パソコンデータを整理していたら前の病院で発見した不思議なバッグバルブマスクの使用写真をみつけたのでちょっと注意換気を行います。


そもそもバッグバルブマスクが正式名称です!


徒手的換気(手でリザーバーもしくはバッグ揉むことで換気を行うもの)装置は大きく2つに分けられます。


①バッグバルブマスク
②ジャクソンリースマスク


そのなかでも今回のトピックは①のバッグバルブマスクなわけですが……

よくバッグバルブマスクのことを「アンビューマスク」なんて書かれています。


まあ、某病院のマニュアルにも「アンビューマスク」と書かれているぐらいなので結構メジャーな呼称だと思いますがアンビューマスクというのは「アンビュー」という会社が販売しているだけであって総称をさすものではありません。


言うなれば、「スワンガンツカテーテル」は商品名であって「サーモダイリューションカテーテル」が一般名であるのと同じように「アンビューマスク」が商品名で「バッグバルブマスク」が一般名ということになります。



バッグバルブマスクの酸素の流れ

バッグバルブマスクの用途としては換気を行う、若しくは高濃度酸素を徒手的に送るといったものなので高濃度酸素については基本的にバッグバルブマスクのリザーバーに酸素が貯まらないと供給は出来ません。これはバッグバルブの酸素がリザーバーにたまり、そのあとバッグを揉むことで次の換気時にリザーバーから酸素をバッグ内に引き込む構造だということを理解しておかなければなりません。この様子を簡易動画で作成したので示します。





このように酸素はリザーバー内から引き込まれてバッグを揉むことで患者へ供給されますが次のような写真ではどうでしょう?





リザーバーもついていませんし弁が誤った場所に装着されています。私の施設もそうですが、バッグバルブマスクは患者ごとに使用後、分解し消毒を行い再使用という仕組みをとるところがほとんどです。この消毒後の組みたてを間違ってしまうと緊急時に使用できなくなってしまいます。





ですので上の写真の右下のような誤った接続でなく適切な位置に弁をとりつけ下の写真のようにしっかりとリザーバー取り付けを行わないといけません。







緊急時などにバッグバルブマスクは必要不可欠物品です。




改めて患者のベッドサイドを確認し安全管理に努めましょう!