今回は同僚の女の子のこんな言葉からお話がはじまりました。

「あの~・・・私達って独占業務ありますっけ?」

このトピックは学生時代以来の方も多いと思います。私は、以前の職場が一人ぼっちの職場だったので多くの職種の方から「どこまでできるの?」という質問を多く受けてました。このため「独占業務」について何度か見直した駆け出しの頃をふと思い出しました。
さて、本題に入っていきます。医療職をはじめ国家資格を有する人につきまとうのが「独占」という言葉。この「独占」については「業務独占」と「名称独占」の2つがありそれぞれみていきます。


業務独占とは?

とある業務に従事するにあたって「資格」がなければ行ってはならない業務がある場合、その業務は有資格者の「独占業務」であるといえます。

例えば、レントゲン撮影を臨床工学技士が行う事はできません。それは、人体に対する放射線の照射自体が医師・歯科医師・診療放射線技師のみができることとされているため看護師であってもレントゲン撮影やCアームの操作等を行った場合は「違反行為」となるわけです。

このことから人体に対する放射線照射業務は「診療放射線技師の独占業務」といえます。

名称独占

これはいたって簡単。臨床工学技士国家試験に合格して臨床工学技士免許を持っている人は「臨床工学技士」と名乗ることが出来る。そして、臨床工学技士免許をもっていない人は「臨床工学技士」と名乗ってはいけないということ。まあ、当たり前といえば当たり前のことですが、資格としての名称を独占して使用するという意味合いになります。

また、業務独占と名称独占は各法令で定められており臨床工学技士については「臨床工学技士法」により定められています。看護師であれば「保健師助産師看護師法」いわゆる保助看法です。

学生の方や、資格保有者の方はご存知のとおり学校で学ぶ単元としては「関係法規」がこれにあたります。では、「臨床工学技士法」の中身を少し見ていきたいと思います。

臨床工学技士法第2条第2号を見てみると
『「臨床工学技士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、臨床工学技士の名称を用いて、医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作(生命維持管理装置の先端部の身体への接続又は身体からの抜去であつて政令で定めるものを含む)及び保守点検を業とする者をいう。』とされています。

ここで出てくる「生命維持管理装置」とは、「人の呼吸、循環、又は代謝の一部を代替することが目的とされている装置」と定義されており、医療現場でいう人工呼吸器や人工心肺装置、血液浄化装置等がこれにあてはまります。

では、この生命維持管理装置の操作や保守点検は臨床工学技士の業務独占なのかといいますと…違います。

私を含め、臨床工学技士という資格を持っていても独占業務はないので人工心肺の操作にしろ維持透析装置にしろ医師の指示の下であれば看護師が扱ってもなんら問題はありません。

じゃあ、臨床工学技士としてのメリットって何?って話になるのですが…

かっこよく言えば「工学」知識をもった「臨床家」なわけですが、強みはやはり「より安全かつ効果的に患者治療を行える」というところだと思います。

それが評価されているからこそ医療安全管理料に始まり色々な診療報酬、施設基準に「臨床工学技士」という名前がついて「分業」になってきたんだと思います。


どんな職種であれプロ意識を忘れることなく患者ケアにあたることが医療職として必須のことかな。

なんか脱線してきたしこれにてドロン!