小児用人工呼吸器回路を使用する基準
今回の事例は小児科で12歳、20キロの患者に人工呼吸器を使うことになったが…小児用回路を使えばいいか…成人用回路を使えばいいのかという問合せからでした。
当院で採用している回路の写真を見てみます。
左が小児用回路で右が成人用回路です。ちなみに人工呼吸器への接続部分はどちらも同じように接続できますが、回路径は…
小児用 10mm
成人用 22mm
と約2倍の違いがあります。そして呼吸器回路を販売しているメーカーのフィッシャー&パイケルさんに昔聞いた基準は体重12キロまでが小児用回路を使用って話だったはず。ちなみにフィッシャー&パイケル製人工呼吸器回路の使用期限は7日です。(使用期限は当院も含めほとんどの施設が2週間~1ヶ月使用ですが)
しか~し!
実際の臨床的には体重10キロを基準として個人的には運用してます。
ですので…
小児用 10mm 新生児~10キロ
成人用 22mm 10キロ以上
てな使い分けです。
というよりも本当は吸気流速や一回換気量によりデバイス選択をするんですけど、分かりやすくこれでヨシと思います。
そんな違いがある回路ですが回路選択の他にも注意点が!
それは「人工呼吸器の使用患者設定を切り替えること」です。
当院所有のフクダ電子のサーボiを例にしますと写真のようにスタンバイ画面で新生児か成人かを選択する画面があります。
この患者設定を切り替えるとサーボiではベースフローという換気には関係なく流れるガス流が変わります。
新生児設定 ベースフロー0.5L
成人設定 ベースフロー2L
このベースフローは患者の自発呼吸を認識するフロートリガーを行うために必用なガスなので極めて重要なものになります。そのことからも呼吸器回路の選択と患者設定は適切に行わないと有効な換気が出来なくなる恐れがあるので患者さんにあったデバイスと環境設定を行いましょう!
コメント
0 件のコメント :
コメントを投稿