今回は実験を行い「バイパップビジョン(NPPV)は痰を押し込むし詰まる可能性があるから挿管しかないかな~」論を考えてみます。

また、ブログを始めて初の動画投稿です!

喀痰排出できない患者は挿管!?

さて、呼吸不全状態で痰が多く自力で喀痰排出が出来ない患者に対しては高い確率で挿管を行うと思います。NPPVでは気道確保もしていないし陽圧で末梢気道に喀痰を押し込むという懸念があるからです。


そもそも喀痰排出に必要な要素は何かといいますと…咳嗽力。この咳嗽力というのは…


・患者の肺に入る一回換気量
・気道抵抗
・呼気時に使う筋肉



が影響し強いては呼気フロー(どれくらいの勢いで息を吐くか)が重要になってきます。



これらがうまく働かなかったら喀痰排出できないわけなので「窒息」を回避するために気管内吸引や挿管人工呼吸器管理を行うわけです。


NPPVに限らず陽圧換気(人工呼吸器)はどんな影響があるのか!?

今回は実験動画を作成したので私が動画をアップしているYouTubeのチャンネル「動画解説 人工呼吸器」から引っ張ってきます。いつもはナレーションをつけていますが、今回は陽圧換気をしていることが分かるようナレーション無しで換気動作音を出しています。





動画を見てもらったらわかる通り模擬喀痰は結構な粘性でしたが陽圧換気だけではそうそう動くことはありませんでした。むしろ重力的要素を加えた時に動いていたので解剖学的に喀痰が落ち込みやすい部位や体位変換による影響の方が強そうです。


逆に言えば体位ドレナージを行うことは非常に意味のあることだと私は感じました。また、模擬気道には繊毛運動による異物除去能力もないため生体としては繊毛運動の機能確保も重要な要素かもしれません。


今回は模擬的に検証を行ってみました。生体組織と全て同じ条件には出来ませんでしたが、陽圧換気の懸念よりも体位による喀痰移動など「喀痰を排出させること」の方が重要性なのかもしれません。
そのためには患者アセスメントやケアが大事なのでしょうね。


またなにかあれば検討してみたいと思います。