先日、ネーザルハイフローの記事を書きましたがそれに合わせて今回は人工呼吸器装着患者さんの加温加湿について書いていこうと思います。


天然の加温加湿 上気道の解剖について

通常私達はどんな気温下でも肺胞内に入る空気の温度は37度と決まっています。これは老若男女問わずみんなです。この温度になるように鼻腔や口腔をはじめ、咽頭や喉頭の組織を使い加温加湿を行っています。ようするに組織が持っている熱や水分を使っていると理解していただければと思います。


さて、この37度というのは血液ガス分析やスパイロメータ…人工呼吸器などの補正にも使われている「BTPS」という言葉からくるものです。このBTPSについておさらいをしていきましょう。


呼吸生理学では必須知識のBTPS

BTPSとは Body Temperature and Pressure, Saturatedの頭文字をとったもので

Body Temperature 体温37度
Pressure 測定時圧力
Saturated 飽和水蒸気状態


のことをさします。ようするに体温37度で湿度は100%に補正しますということになります。一番のネックなワードはSaturatedだと思いますが、飽和というのはこれ以上溶けきれない状態です。この溶けきれないものが水蒸気であれば、湿度は100%になりこれがもしSaturatedからDry(乾燥している状態)に変わったのであれば湿度は0%になります。


ここでは37度で飽和水蒸気の状態ですので湿度は100%。さらにいうと37度の空気が含むことが出来る水蒸気量は1Lあたり44mgとなっています。


この44mg/Lという言葉が出てきたら「相対湿度」と「絶対湿度」を勉強しなくては…


こちらの二つについては次回の記事に書きたいと思います。