今回は最初からクイズです!

次のスライドであなたが過換気と思うのは①と②のどちらですか?


①と答えた人か多いのではないでしょうか?

それでは答え合わせです。

換気を考えるときは1分間の換気量で判断しますのでそれぞれこうなります。

①300ml×30回=9000ml
②900ml×10回=9000ml

①と思った方は呼吸回数にとらわれちゃったんだと思いますが…

かけ算をした結果…分時換気量で見たら①も②も一緒じゃん!?となった方も多いと思います。

しかし、実は分時換気量を考える際に、ガス交換に関与しない「解剖学的死腔」を考慮しないといけません。健常成人の解剖学的死腔は約150mlとされていますので…先ほどの①と②の計算式は次のようになります。

①(300ml-150ml)×30回=4500ml
②(900ml-150ml)×10回=7500ml


どうでしょう?①と②で3000mlの換気量差が出ています。この2つを比較したら過換気なのは②です!

答えとしては①と②はそれぞれ…

①多呼吸
②過換気

ということになります。先ほど計算したように過換気とは換気量か過度に増加した状態なので体内の二酸化炭素分圧は低下。その結果呼吸困難を伴うためペーパーバック法と言われるような袋に自分の呼気をためて再呼吸をすることで体内二酸化炭素分圧上昇を図る対応を行うのです。

ようするに過換気と多呼吸は全く違うものなんです!ゼーハーして沢山呼吸してる人が過換気というわけではないと言うことを覚えておいて欲しいかなと思います。

では、多呼吸とは何回以上の呼吸を言うのでしょうか?

またまたクイズです!



この答えとしては急性呼吸不全の基準である25回となります。

成人の正常呼吸回数は15回前後です。この時の1呼吸のサイクルは4秒。

それから考えると25回というのはなかなか早いですよね。だってサイクルでいうと2.4秒と非常に短い呼吸時間。この2.4秒で吸気と呼気を行うのは大変です。

もっとも、慢性的な呼吸器疾患を患ってる患者さんは安静時でも25回以上の呼吸をしてるときもあるので既往歴を把握しておかなければいけませんね。

いかがでしたか?過換気と多呼吸の違いや呼吸回数などを考えながら日々のケアにあたりましょう!