ちょっとマイナーなトピックに入りますが…今回は各論といいますか、疾患です。事の発端はとある病院で働いてる知り合いのナースからの相談…

脳外の患者さんでオペをしてからたまに呼吸を止めてSpo2が下がるそう。主治医からは「なんとかの呪いだから」と言われ…それ何?しってる?って話でした。呼吸器系の疾患で俗称「呪い」と言われるのは私の知る限り「先天性中枢性肺胞低換気症候群」別名「オンディーヌの呪い」→(略語はCCHS)しかありませんが症例も少ないのでいい機会ですし私が治療に参加した内容などを紹介します。


先天性中枢性肺胞低換気症候群(長いので以下オンディーヌの呪い)は先天的な遺伝子異常や呼吸中枢障害、自律神経障害が原因と考えられており国の難病指定にもなっています。そして私が患者さんを診た時に調べた記憶でいうと国内でも100例ほどしか症例がなかったので非常に稀な疾患です。

とのような疾患なのか?
呼吸中枢の障害を伴い無呼吸を呈します。主に睡眠時に無呼吸が現れるとされており私が関わった患者さんも睡眠時の無呼吸でした。睡眠時無呼吸症候群にも中枢性睡眠時無呼吸症候群という呼吸中枢的無呼吸を呈するものがありますが、違いは既往として心不全や脳梗塞などの脳系や心臓系の疾患があるかどうかです。また、オンディーヌの呪いは既往背景に関係ない先天的なものなので乳児期や幼児期に発覚するものですが中枢性睡眠時無呼吸症候群は成人例が多いという違いがあります。このことから今回相談があった脳外の患者さんは先天性ではなく脳腫瘍の影響などで呼吸中枢障害が起きていると考えるのが筋だと思うのでオンディーヌの呪いではないと思っています。


実際にどのような検査・治療を行ったか?
私が関わった患者さんも幼児で遺伝子検査と睡眠ポリグラフ(通称PSG)を行いました。PSGの結果をもとにSpo2の低下を認めたので人工呼吸管理が必要となり人工呼吸器の導入サポートを行いました。


人工呼吸器の設定やデバイスは?

人工呼吸器導入のサポートを依頼されましたが、患児は成長的には若干遅いようにみれましたが、睡眠時無呼吸以外は普通の子供で走り回ったりキャッキャして元気だったので気管切開ではなくマスクを使った人工呼吸器…俗にいうNPPVで呼吸管理を行いました。使用した人工呼吸器はPHILIPSのTrilogyです。


また、小児のNPPVマスクはサイズ的にもバリエーションが少ないため額から口まで覆うパフォーマックスという種類の小児用を使用しました。


(写真はPHILIPSホームページより引用)

呼吸器設定としてはバックアップ呼吸が入るS/Tモードを選択して圧力は高い設定ではなかったと思います。これは肺そのものに障害はありませんし胸郭コンプライアンスも悪くないので過度の設定をする必要性はないということになります。PSGや呼吸器導入時こそトリクロを使って寝かせてしまいましたが、退院指導時や退院後の自宅においては継続して装着できていたようです。

フォローは?
フォローとしてはPSGでのAHIを見てみたり成長に伴うマスクリーク率の推移を調べ対応していました。まだまだ分からないことが多い疾患ですが、医療者と家族が協力して治療に参加しないといけないと感じました。

今回は私の経験的な要素が強いので参考程度にお願いします。