人工呼吸が大好きな私ですが…人工呼吸といえど大きく二種類あります。一つは挿管人工呼吸。もう一つはマスク型人工呼吸…俗にいうNPPVです。今回はそんなこんなでNPPVについてお話します!


NPPVとは?

Non Invasive Positive Pressure Ventilation(非侵襲的陽圧換気)



(philips respironics ホームページより引用)


病院内でよく使用されているのはフィリップスのバイパップビジョンやV60だと思います。これらは院内専用NPPV専用機と言われていますが、酸素濃度100%まで供給できる事が最大の利点といえます。


実際のところはこれらの他にも侵襲的人工呼吸器の中にオプションとしてマスク換気モードができるものもありますが・・・正直、使い物になりません。バイパップビジョンやV60のようにNPPV専用機として販売されているものを使用することを強くお勧めします。これらの院内専用機は、急性呼吸不全に該当する病態やIPPVの抜管後のバックアップとして使用される事がほとんどだと思います。


院内専用機と在宅用NPPV機

先に紹介したのは院内専用の機器ですが、慢性呼吸不全であるCOPDや慢性心不全に対する在宅NPPV機と言われているものがあります。この領域で有名なのがTEIJINさん。


在宅NPPVは写真のように在宅酸素と組み合わせて使用する事がほとんどです。

(TEIJINホームページより引用)

NPPV機器の外観はこのようにスリムなものです。



この在宅用NPPV機は酸素流量15リットルが最大添加酸素量ですし、在宅酸素を行っている患者さんが使用している酸素濃縮機もせいぜい6リットルあたりがMAXではないかと思います。以前の記事で酸素療法における酸素濃度のお話をしていますが、在宅NPPVでは酸素濃度40%程が最高濃度になるのではないかと思います。

このため比較的安定した患者さんしか在宅NPPVは使用できません。



NPPVのお約束


酸素療法の酸素マスクを使用するときのお約束は酸素を5リットル以上流すことでした。この理由としてマスクという機械的死腔(マスクの容量)に患者呼気がたまって再呼吸をすることによる血中二酸化炭素分圧上昇を防ぐためです。NPPVもマスクを使用するため、患者呼気の再呼吸が懸念されます。そのため、NPPVではEPAPもしくはCPAPを4㎝H2O以上に設定するようになっています。(4㎝H2Oより圧を下げることができない)

以上がざっくりとNPPVとはなんだというお話でした。次回はNPPVの設定や換気動作に関して紹介していきたいと思います!