NPPVにおいてマスクフィッティングは最重要項目…そんなマスクフィッティングについてリーク許容や正常値についてご紹介します。


マスクの種類

NPPVのマスクは多種多様なものがあります。ここでは、主に成人で使用するタイプについてご紹介します。(写真上段の左から右→下段の左から右の順)


NPPVマスクの種類


①ネーザルマスク(鼻)
②フルフェイスマスク(口鼻)
③パフォーマックス(でこから顎まで)
④トータルフェイスマスク(顔全体)
⑤フルフェイスマスク(口鼻)
⑥ヘルメットマスク(頭全体)



これらのマスクが一般的ですが、そのなかでも急性期(院内専用機)で使用する場合は①~⑥までのマスクを患者に合わせて使用しますが、在宅管理の場合①のネーザルマスクや②・⑤のフルフェイスマスクの使用が多いと思います。



私がよく使うのはフルフェイスマスクで…理由としては、NPPV使用患者のほとんどが努力様の多呼吸…かつ口呼吸のためネーザルマスクは非効率であるからです。また、③のパフォーマックスや⑤のトータルフェイスはフィッティングが非常に難しいと思います。



さてさて、トピックにも出していますが、NPPVマスクを使用するにあたり常についてくる問題が『リーク』。


この記事を書く前にネットで『NPPV リーク』と検索してみたのですが、関連ワードに『許容範囲』や『正常値』という言葉がありました。実際問題この問題については完全な『私見』でお話をします。


NPPVマスクリークの許容範囲

NPPVマスクを使用するにあたりリークの許容範囲というものはありません!あえて許容という言葉ではなく『最低リーク量』『リーク限界』の2つの言葉を使っていいのであれば紹介はできると思います。


・最低リーク量
最低リーク量とは「このリーク量は最低なくてはいけない」というもの。NPPV用語としてはインテンショナルリーク(意図的リーク)と呼びマスクフィッティングの影響などを省いた呼気排出のための持続的リークをさします。


ピンとくる例をあげると…酸素療法において酸素マスクのお約束は呼気再呼吸防止のために5L/分以上は流しましょうとあります。この理屈と同じでインテンショナルリークはある程度の流量を流さなければ患者呼気がマスクに溜まり呼気の再呼吸がおこってしまうため流さなければならない必要なものなわけです。


機種やマスクによってインテンショナルリークが出る場所が違いますが、在宅用のNPPV機では下のようにマスク側。


在宅NPPVインテンショナルリーク


院内専用機では回路側にあることが多いです。



バイパップインテンショナルリーク


このインテンショナルリークはたいてい15L/分とされているので呼気再呼吸防止のためには最低15L/分のリークが必要だということになります。


リーク限界

リーク限界とはリークが多すぎて人工呼吸の臨床意義が継続出来ない場合をさします。俗にいう回路外れアラームが出たらこの状況になりますが、これも機種により変わってきます。在宅用NPPV器であるTEIJINが扱うNIPネーザル系では40L/分以上のリーク、院内専用機であるBiPAP VISION(バイパップビジョン)やV60ではIPAP設定圧により許容限界が下に示すように変わってきます。

NPPVリーク許容値一覧


このようにリークの許容限界というのは機種により変わるのでお使いのNPPV機を改めて確認することが重要だと思います。



リークの正常値は?

リークの正常値?これもありません!強いていうならば患者が不快でなくNPPVの効果が得られるリーク量は正常なのです。いくつかのサイトでリーク正常値は60L/分以内などと書かれているのを見ましたが、先ほど書いたように使用機種のリーク限界がありますのでその限界内で患者効果が得られるリークが正常値ではないかと私は考えています。もちろん、インテンショナルリークを省いたリーク量は0が理想的です。しかし、NPPV マスクは基本的に海外製だということはご存じでしょうか?


NPPVマスク製造国


バイパップビジョンやV60などの院内専用機を販売しているPHILIPSはアメリカですしTEIJINが扱うNIPネーザルシリーズを販売しているResMedはオーストラリアです。しかし、私達が住んでいる日本は赤丸の場所。海外製のものを日本人が使用するのでうまくフィッティングができないのは仕方のないことでもあります。強いては、世界四大人種は次のように言われています。



・コーカソイド(欧米系白人)
・ネグロイド(黒人)
・オーストラロイド(オーストラリア系白人)
・モンゴロイド(アジア系黄色人)



私達日本人はモンゴロイド人種ですが、先ほどあげたようにマスクの製造はコーカソイドやオーストラロイド地域で作られているわけです。



このような中で私たちは患者に適したマスクを選択しフィッティングを行わなくてはいけません。とりあえず言えることは定例でデュオアクティブやシカケアなどの皮膚保護材を使うのは反対です。


この理由としては皮膚保護材を使用することにより逆にリークが増える可能性があるからです。また、皮膚保護材を使用する理由はリーク対策以上に褥瘡予防の意図があると思います。この皮膚保護材を使わなくても栄養状態の改善や顔のスキンケアを行いリーク限界内で管理ができれば大丈夫なはずです。


ましてや顔面に貼っていた皮膚保護材をオーバーテーブルに汚いまま放置してマスクを着けるときにそのまま保護材をつけマスクフィッティングをしたら顔面がますます汚染され褥瘡助長に繋がるのではないてしょうか?


私の仲のいい慢性呼吸器疾患看護認定看護師は皮膚保護材ぬきでリーク0を病院レベルで成し遂げています。


既存のマスクでもしっかりと管理をすれば褥瘡なんて作らないというわけです。


それでもマスクが合わないという場合は色々なマスクを試すことも必要かもしれません。ということで個人的なオススメを2つ紹介します。


・ウィザードフィットフルフェイスマスク
NPPV用ウィザードフィット

このマスク…私の地域では「チェスト」というメーカーが扱っていますがあまり知られていないマスクです。台湾製ですがフィット感がよくSサイズを幼児期の子供に使ったりもできます。ヘッドギアがペラペラで残念ですがマスク自体はおすすめです!今のところNo.1。


・simplus
NPPV用simplus

加温加湿器や人工呼吸器回路メーカーのフィッシャー&パイケルのマスクです。顔の接触部分に全体的なシリコンクッションがあり着けやすい上、フレームからクッション部分の着脱が可能でS・M・Lのクッション交換が容易です。


このようにNPPVマスクフィッティングは使用機種や使用マスク、マスクフィッティング…強いてはスキンケアや栄養管理が関係した濃厚ケアです。患者さんと対話しながらケアを行っていくことがとても大事なのではないかと思います。


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