今回は呼吸療法のなかでも「どのくらい酸素化ができているか」を評価する指標「P/F」について紹介します。

このP/Fは読み方として…

・P/F(ピーエフ)
・P/F比(ピーエフヒ)
・P/Fratio(ピーエフレイシオ)

などと言います。私はほとんどP/F(ピーエフ)と言ってます。

さてさて、このP/Fですが何を表しているかと言いますと…PO2/FiO2の値をさしています。ようするにPO2をFiO2で割っただけなんですが…この意味合いについて考えていきたいと思います。

例題として、私達のPO2はざっくり100mmHgでございます(厳密に言えば違うのですが…)そして…大気中の酸素濃度は21%。すなわちFiO2で表すと0.21なわけです。このときのP/Fの計算式は…

PO2÷FiO2
=100mmHg÷0.21
=479

とでてくるわけです。ようするに正常のP/Fは476…400そこそこあるというわけです。

お次は重症的な酸素化障害の患者はどうなるでしょう?酸素濃度100%でやっとこさSPO2が90%という患者のP/Fはといいますと…

酸素解離曲線を以前の記事から引っ張り出してきましたが…




SpO2が90%の時のPO2は約60mmHgでした。この時の酸素濃度は100%。FiO2でいう1.0ということになります。よって計算式は…

PO2÷FiO2
=60mmHg÷1.0
=60

と算出されるわけです。私達のような正常な人はP/F476ですが、重症酸素化障害の患者は60という驚きの8分の1程の数字となります。

このことからP/Fの値が小さければ小さいほど重症酸素化障害の傾向にあるということが分かったと思います。そしてP/Fが小さくなる条件としては分母が大きいか分子が小さいかの二通りとなります。

明日からはSpO2や血液ガスのPO2だけでなくP/Fを計算して評価をしていくとより患者さんの状態把握になるのではと思います。

日々のケア、皆様頑張りましょう!