急性期患者をはじめ慢性的な栄養状態不良の患者さんではよく見る中心静脈カテーテル(以下CV)。このCVの役割や挿入部位、構造理解を深め看護に生かして頂けたらと思い今回はCVについてどどんと紹介します!

中心静脈カテーテル(CV)とは?
CVは、その名の通り中心静脈に挿入しているカテーテルを総称しますが、何故、わざわざ中心静脈にカテーテルを入れているのでしょうか?その役割は数種類あり下に列挙します。

・中心静脈圧(CVP)を測定するため
・確実な薬剤投与経路の確保を行うため
・長期的な経中心静脈栄養を行うため

この3つが大きな役割となっています。さてさて、これらを1つずつ病態的バックグランドを見ていきながら必要性を認識していきましょう。


中心静脈圧(CVP)を測定する理由
解剖学を思い出してもらえばいいのですが、中心静脈とは解剖学的に上肢の静脈血が戻ってくる上大静脈と下肢の血液が戻ってくる下大静脈が合流している場所になります。下の図で言うならば①と②が合流し中心静脈となりそこから右房へ抜けるといったイメージです。

右心系と左心系

図からも分かる様に上大静脈や下大静脈、中心静脈や右心房は静脈系因子です。その中でも中心静脈というのは体全体の静脈還流・・・強いては体内血液量を反映しているとされCVPが高ければ血管内は満ち足りていてCVPが低ければ血管内はボリュームロス状態と判断します。ようするにこれらを治療と関連すれば下のようになります

CVPが高い=血管内ボリュームが多い⇒利尿かける
CVPが低い=血管内ボリュームが少ない⇒輸液を入れる

てなわけです。この体内ボリューム評価に関してはCVが入っていない場合、超音波エコーを用いて血管経を測定することによる推測を行う事もあります。

このCVPについては個人的に8cmH2Oあたりが正常で12cmH2Oあたりが高値、5、6cmH2Oあたりが低値という感覚でいます。

また、CVPは前述したように体液管理パラメーターとして使用する事が多いのですが、右心系因子であるので右心系の評価項目としても使われます。例えば、右心不全が起きている場合を考えてみます。

右心不全とは右心室のポンプ機能(血液を送り出す機能)が低下することをさしその原因というのは