突然ですが、皆さんDMATってご存じですか?


例えば、大規模な災害が起こった場合、多数の傷病者が出ることは容易に想像がつくと思います。

また、その地域にある医療機関の建物に倒壊危険があるなどしたら避難をすることになるためその医療機関の診療機能はストップせざるおえません。


さらに福島原発事故のように放射線等の汚染がある場合は建物の問題でなくそもそも避難を行わなければいけないわけです。

あれ?

その地域の医療機関が診療機能を有さないということはどうなるでしょう?


まずは入院患者の入院継続は当たり前のように不可能です。つまり多数傷病者がいても被災地域では医療を受けることができないわけです。じゃあ、どうするかというと…



被災していない地域に患者を送ればいいのです!



では、誰が?


普通救急車は消防隊管轄だから消防が全部やってくれますか?


被災地域医療機関スタッフが自分の患者だからと律儀にやってくれますか?


そして、搬送手段はどうやって確保しますか?


搬送先は?


今さらですがライフラインは大丈夫ですか?通信手段は?


そうこう考えるべき事を考えると到底、人が足りません!


そもそも災害地は普通の状況ではないので一般的な搬送では難しいです。



そう考えると一般的な搬送ではなく「災害時に」特化する専門的な医療スタッフがいればどうにかできそうですよね?


これが今回のトピックであるDMAT(災害医療派遣チーム)ということになります。何故、このDMATの話をしてるかと言いますと、2月26日~3月1日の4日間(実際前泊なので4泊5日)東京都立川市にある災害医療センターでこのDMAT養成研修を受講してきたので記憶が新しいうちに書いているのであります。それでは、DMATの定義からみていきます。


DMAT

Disaster Medical Assistance Team,災害医療派遣チーム)
DMATの定義は「災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム」とされています。

何故、このDMATが作られたかというと…少し昔になりますが1995年1月17日に阪神・淡路大震災が起こりました。マグニチュード7.2、家屋全壊104,906軒、被災家屋51,882軒、死者・行方不明者6,425名、負傷者43,772名の被害でした。(※DMAT事務局HPより引用、改変)
この震災においては医療提供が遅れてしまいもし、発災後早い段階で医療提供を行っていれば約500人が救えたかもしれないと報告があるようです。このことを受けて厚生労働省が発足させたのがDMATなわけです。



DMATの活動内容

・本部活動
DMATを指揮する「DMAT活動本部」における活動
・地域搬送活動
被災地域の近隣施設への患者搬送をサポートする活動
・広域搬送活動
自衛隊と協力しヘリや飛行機で県外へ患者を搬送する活動
・病院支援活動
被災病院の医療継続をサポートする活動
・現場活動
現場においての医療介入活動
・ロジスティック
通信手段などのライフライン、医療物資や生活物資の調達や交通手段検討などの情報収集活動


細かくいったらきりがないのですが、某ドラマのような「瓦礫の下の医療」ではなくメインとなるのは患者搬送支援です。

さて、これらの活動を行うチームメンバーはどう構成すればいいかというと下に挙げていますが…


DMAT構成(基本)

医師1名(診療・指揮・トリアージ)
看護師2名(診療介助・看護・トリアージ)
業務調整員1名(インフラ整備・チーム運用)
の1チーム計4名が基本構成となってあたます。今回私は業務調整員としての研修参加ですが…ほんっとに4日間きつかったです!


初日から3日目までは朝8:30~19:30まであり3日目には筆記試験、実技試験(医師、看護師はトリアージ等で業務調整員は衛星電話使用。トランシーバーは全職種)、口頭試問などがありました。試験に合格したら厚生労働省に登録され晴れて各都道府県DMAT隊員となることができます。


結構ここまでで長文となるので一度終わりますが、参加する前「DMATってそこまで興味ない~」なんてことを思っていましたが、研修に参加して他職種、多人数で被災者のためにでできることを行うことは凄いことだと思いました。


最後の方の講義の中に出てきてましたか、首都直下型地震や南海トラフは近い将来発生するようです。


日頃から防災意識を高めておくことも必要だと思いました。さて、明日は2回目の呼吸治療専門臨床工学技士試験なのでDMAT研修から東京に残っております。色々重なりすぎて体も頭もついていきません。



とりあえず、睡眠というトリートメントが必要であります。どろん。。。