先日、DMATの技能維持訓練に参加したので内容を報告したいと思います。


DMAT 資格には更新要件がある!?

DMAT隊員になると5年間の間に2回の「技能維持訓練」という研修を受けなければいけません。技能維持訓練は、日本全国をブロックごとに分けたブロック単位で行われており1回の技能維持訓練は2日間で行われます。


技能維持訓練ってどんなことするの!?

技能維持訓練はとある都道府県を被災地と想定しその被災地域での活動を行うことをさします。そのため各被災地隣県のDMATが参加するような形となります。


実際どんな訓練なのか?

ここでは考えやすいように「仮」で被災地を東京都とさせていただきます。
東京都で災害が起きた場合、すぐに集まるのは関東ブロックのDMATです。

イメージとしてはこんな感じ。


東京都が被災した場合(地図はGoogle mapより引用)


東京都の周りからDMATがやってくるのが普通ですが、各都道府県のDMATは真っ先に東京都の被災地に入るのではなく一度隣県の広場などに集まります。ここでは長野県に一度集まると仮定し地図で表すとこのような形となります。


なぜ、まっすぐに東京都に入らないかというと、東京都庁などが上位組織としてDMATを動かしていくわけですが、その下に東京都の中でも区域ごとに活動本部をつくっていくはずです。組織図イメージは下の図のような形です。




このため地方DMATが効率よく活動するためには各地区でのニーズを考えそのニーズに合うようにDMATをふりわけする必要がでてきます。

このふりわけをするためには、各DMATが「どのくらいの機材を持っているのか・人員はどうなのか・ガソリンはどのくらいあるのか・宿泊先を確保しているか・患者を搬送できるか(公用車ではなく搬送車などの機能を持った自動車を所有しているか)」などを集計する事が必要です。このため一度被災地近くに設置する「参集拠点」へDMATを集めてそこからニーズにあうDMATを各地区へ派遣していくわけです。



と、いうことで私の訓練では9:00に隣県の参集拠点に到着しなければならなかったため高速道路での所要時間が1時間だったため出発時刻を余裕をもって7:00に、集合時間を6:30として訓練を開始しました。

今回の当院のチーム編成はこんな感じ

リーダー 医師(救命センター 医師、統括DMAT)
     医師(救命センター 医師、統括DMAT)
             看護師(整形病棟看護師)
     看護師(救命センター看護師)
     調整員(理学療法士)
     調整員(臨床工学技士)

病院を出発して参集拠点へ到着するとすでに他のDMATが到着しているではありませんか!


その後、広場に集まって・・・配属先を発表されます。



結果、参集拠点から被災地域へ高速を使い1時間30分の地域へgo。

派遣先病院へ到着するとさらに移動し近隣病院の病院支援を行うことになり資機材を持ち込み医療支援開始!


支援病院の指揮系統が確立されていなかったためうちのリーダー医師が指揮をとることになり私も支援病院内の院内災害対策本部で活動を行いました。

活動としては衛星電話の立ち上げと本部組織への連絡、トランシーバーを用いた院内診療部門との連絡や搬送患者管理などを行いました。

なかなかの疲労感でした!

DMATでの業務調整員の役割は非常に重要であり他職種や他施設・他地域の方とコミュニケーションをとらなければならないので単なるイニシアティブだけでは通用しないなと感じました。

今回はDMAT技能維持訓練について紹介しました。いつもDMATの話となるとこの言葉で結びとなりましたが、平時からの準備が大事ですね!

備えあればなんとか!