どこの施設でも使い慣れてきたであろうHFNC(俗称︰ネーザルハイフロー)ですが、チョコチョコ出てくるのが「これを在宅でできないの?」という要望。


当院でも言われる場合がありますが、いかんせん保険が通ってないしなかなか非現実的だとお答えしています。


海外ではAirvoの会社であるフィッシャー&パイケルが普通にオフィシャルホームページで在宅用Airvoである【My Airvo】を紹介してるんですけどね(._.)


(youtubeよりFisher&paycel Helthcare動画を引用)


海外の話はおいといて…そんなこんなでかわしていたのですが、少し抜け道を使った在宅ハイフローを今回は紹介していきたいと思います。



実は以前の施設にいた時から知ってはいたんですけどね(^_^;)



さて、紹介紹介!


在宅人工呼吸器を用いたネーザルハイフロー

コレ…ネーザルハイフロー専用機であるAirvoのようなものを使わず一般的な在宅用人工呼吸器でネーザルハイフローを行うというもの。


といっても、【在宅人工呼吸】は保険で認められているものの【在宅ハイフローセラピー】なんてものは存在しないので奥の手を使います。その奥の手というのが…


「在宅人工呼吸器を使い非侵襲的陽圧換気で申請を行いデバイスのカニューラはマスクとして使う」

というもの。

ちなみにカニューラは薬事申請時に【マスク】として登録してあるため非侵襲的陽圧換気で大丈夫というカラクリであります。

ということで保険上は在宅人工呼吸管理指導料+非侵襲的陽圧換気ということになるわけです。

これを扱っているのがチェストという会社。


スパイロなんかが有名ですが、一昔前はVivo30やVivo40というNPPV機が軽く流行っていました。

Vivo30,40 在宅呼吸器



個人的にはいい機械を持っていると思うしデバイスラインナップも豊富なので好きなメーカーです。

ただ、営業マンが少ない&我が施設は田舎なので営業所もない…

という理由でスルーしていました。


「わざわざバックアップが薄い状態のものを持ち込むのもな〜」という自分なりの安全管理だったわけです。


しかし、今回は当院の小児科医が学会で発表を聞いたことから「うちでもできますか〜」と問い合わせがきてトントンと導入し在宅へ…問題なく経過しています。


このトントン拍子の裏にはメーカーのフォローを呼吸器レンタル業者が間に入ってくれることになったので実現しました。


こういう仕組みがあれば安心ですね!


てなわけで今回使用する機種はVivo60!

Vivo60在宅呼吸器



お次は実機をもとにみていきましょう!

在宅ハイフロー機を使ってみる!


回路とカニューラを接続した状態がこのような状態。




この呼吸器ちょっと重くて在宅人工呼吸器の中では重量感があるほう。カタログスペック上では5.3kg。

よく使うフクダライフテックのASTRALが3.2kgなので物凄く重く感じてしまう。

ASTRAL (アストラル)3.2kg

愚痴は置いといてVivoの話に戻ります。。。。





今回は在宅でハイフローを行うわけなので当然「ネーザルハイフローモードがVivoにある!」と思いがちですが、そういうわけではなくてCPAPモードで圧を設定し結果的にフローがどれくらいでたよ〜という二次的なハイフローセラピーになります。


ちなみに酸素添加は15L/分までですが、在宅環境ならば酸素濃縮器を使うのでよくて酸素添加は5L/min程度でしょう。人工呼吸器への酸素添加は右側面の電源スイッチなどがある側から添加します。




気になる酸素濃度は酸素センサーを接続しモニタリングできるのである程度の管理はできると思います。



さあ、電源を入れて設定を行っていきます。電源を入れると下の画面になるので一般的な人工呼吸器と同じくモードを決めて設定を決めてアラームを決めて~と進んでいきます。





モードは紹介したようにハイフローモードではなくCPAPモードを使用。




CPAP圧設定を行ったらアラーム設定を行うのですが・・・・いうなれば今回は意識がしっかりしており換気を必要としない在宅酸素という患者カラーです。このため換気のパラメーターは必要ありません。というよりも換気のパラメーターでアラームをかけると鳴り止むことは永遠にありません。このためアラームをほぼほぼ設定しません!





そんなこんなで真ん中の作動ボタンを押して換気をスタート!



換気をスタートした後はモニタボタンを押してモニタリングを行いCPAP圧、リーク、酸素濃度を観察します。




ここで出てきたCPAPとリークの関係ですが、設定項目は今回CPAPの圧設定のみなので設定CPAPの結果リーク(フロー)がどのくらい出ましたよ~という関係です。このため観察は左側の項目2つです。



以上が在宅人工呼吸器を使用した裏技的マスクという名のネーザルハイフロー的使用です。やってることは簡単といえば簡単。あとはネーザルカニューラの使い勝手です。


カニューラの種類について

チェストが用意しているカニューラは結構ソフトで実際に装着してみましたがいい感じ!


サイズラインナップも必要最低限は用意されているかなといった印象です。





これから軽く使用頻度が高くなる予感。。。。。

今回は在宅ハイフローの裏技的紹介をおこないました。といっても、某学会などで発表もあっているし学術集会での機器展示やってるからいっか!


今回はコレにて終了!