小児用ネーザルハイフローの正しい使い方
今回は当ブログの検索ワード1位の「ネーザルハイフロー」!
当院でも最近小児科ドクターから依頼がきて症例が増えてきています。ちょっとマイナーな小児 ネーザルハイフローですが、よく言われているフローの決まり事などをご紹介。
成人と小児で違うことは?
小児の治療にあたり世間的によく言われているのは「小児は小さな大人ではない!」ってことです。ようするに成人と小児では考え方がちょっと違います。ネーザルハイフローを行う上ではまず決定的に違うものがブレンダーとデバイス!酸素ブレンダー
酸素ブレンダーは大人用のブレンダーのように60L/分までのものでなく写真のように上限が30L/分のものを使います。そのほうが目盛りも見やすいですしね!
そして、ガスが加湿器に流れるラインも成人とは違います。
成人用では呼吸器回路と同じく22mm径のガス出口でしたが、小児用では酸素流量計と同じようなガス出口になります。このためブレンダーからのガスと加湿器を繋ぐものは下の写真のようにいつも皆さんが使っている酸素チューブを用います。
酸素チューブからのガスは加湿器に接続する前に過度の圧力を逃がすリリーフ弁を経由して接続を行います。
(フィッシャー&パイケルより)
カニューラ
成人用のカニューラはS・M・Lの3種類でしたが、小児用は4つありそれぞれ色で分けられています。
カニューラの箱の写真を出していますが、この箱は赤・黄色・紫・緑のうち黄色ということになります。このカニューラの選択にはオプティフローを販売しているフィッシャー&パイケルの資料を出させてもらいます。
この表を参考にすると…
赤 :体重3kgまで(最大流量8L)
黄色:体重2kg~8kgまで(最大流量8L)
紫 :体重3kg~15kgまで(最大流量20L)
緑 :体重12kg~22kgまで(最大流量25L)
となります。このことからNICUなどの低体重児は赤、新生児は黄色、乳幼児は紫、幼児は緑といった使い分けとなります。
加温加湿器の設定は成人と同じく挿管モード。不快ならマスクモードとなりますが、ガス流量については…
「体重あたり2L/分」
となっています。ようするに4kgの新生児に使用するカニューラは通常黄色か紫を選択し、ガス流量の設定は…
4×2=8
8L/分となります。このことから製品のスペックとしては黄色のカニューラでは8L/分までのガス流量とされているので体重4kgで使用できガス流量の上限に余裕のある紫を最初から選択したほうがいいかもしれません。
また、カニューラは粘着式のテープで固定をしています。(成人でいうと挿管チューブを固定するアンカーファストのような感じ)
このテープはカニューラとマジックテープ式に固定されていますので交換する事が出来ます。ようするに下の写真のように消耗品として交換品があります。
注意点として箱に黄色と紫、緑は書いてありますが赤色がありません。このことからこの消耗品は赤のカニューラには使えないということになります。
実際にこの消耗品テープとカニューラを一緒に写真を撮ったので見てもらえると分かると思います。
黄色のカニューラと赤のカニューラでは大きさが結構違うと思います。
ですので低体重児には気をつけてもらえたらと思います。
今回は小児のネーザルハイフローに書かせて貰いました。小児ではサイパップという人工呼吸器のようなネーザルCPAPが主流でしたが、簡便に使えるオプティフローに代わっていくかもしれません。いいデバイスだとは思いますが、一式2万円程消耗品に費用がかかるのでもう少し安かったらな~なんて思います。
今回はこれにて終了!
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