START式トリアージ講習
災害拠点病院でもある当院。院内研修にSTART式トリアージ講習を年に2回開催していますが、今回は今年度1回目の研修に参加したので参加レポートを行います。
START式トリアージとは?
START式トリアージは『一次トリアージ』といって被災者等をざっくりトリアージする1回目のトリアージです。そもそもトリアージとは「ふるい分け」のことなのですが、START式トリアージの目標判別所要時間も『約30秒』ということで迅速な判断を行い次から次へ患者を診ていかなければなりません。そのためこのSTARTという言葉の意味はこんな感じです。
S=Simple(簡単な)
T=Triage(トリアージ)
A=And
R=Rapid(迅速な)
T=Triage(トリアージ)
T=Triage(トリアージ)
A=And
R=Rapid(迅速な)
T=Triage(トリアージ)
まあ、ざっくり一次トリアージなわけです。
さてさて、今回私は研修生として会場へ向かいましたが…インストラクターが足りないしDMAT隊員だからということでインストラクターへ変更。指導等を行いました。
てなわけでトリアージの具体的方法にうつっていきます。
下にDMATの養成研修で使用したトリアージのフローを示します。
これを見るとわかるようにまず行うのは歩行可能かどうか…。
歩行可能ならばその人は緑でトリアージ終了。
もし歩行できなければ次に呼吸を観察します。呼吸がなければ頭部後屈により気道確保を試みますがこれで呼吸があれば赤。なければ黒です。
そして、呼吸確認で呼吸が認められた場合は呼吸数で判別を行い、呼吸数が10~29回までは呼吸正常とみなし次の循環確認にうつります。もし呼吸数が10回未満30回以上の場合は赤となります。
尚、呼吸をみる場合は6秒間、胸を観察すればだいたいの基準になるので下の理屈を是非覚えておいてください。
6秒に0回→1分間に10回未満→赤or黒
6秒に1回→1分間に10回以上→黄色
6秒に2回→1分間に20回以上→黄色
6秒に3回→1分間に30回以上→赤
6秒に1回→1分間に10回以上→黄色
6秒に2回→1分間に20回以上→黄色
6秒に3回→1分間に30回以上→赤
さて、先程の呼吸で問題ない場合は循環の確認に移りますが、とう骨動脈触知可能であれば次の従命反応を見ます。触知結果が微弱だったりした場合は赤となります。
最後に従命反応に答えれるかどうかを見ますがこたえれたら黄色。こたえれなかったら赤にしてトリアージ終了です。
今回の講習は約30分の抗議の後、1時間の実技。
インストラクターと患者役がペアとなり某テレビ局が行う「お見合い回転○司」のようにスタンバイ。講習参加者はトリアージする人とタグを記入する人の2人1ペアとなりスタンバイしているインストラクター達の円をぐるぐる周りながら色んな状態の患者をトリアージしていく流れで行いました。
実際、参加者が書いてくれたタグがこんな感じ
必要事項はかけるところは書く!
かけないところは仕方ないですが、このトリアージタグの悪いところは、トリアージ実施時刻や実施者などの書ける箇所を書いていないことですね。タグの記載については本来、被災地に向かう道中にあらかじめ書いたりするものなのです、まあ今回は練習なのでスルーとします。
書いた後は患者右手にタグをつけ終了です。
今回はSTART式トリアージについて紹介しました。災害については皆で備えましょう!
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