以前書いた「重症心身障害児(者)」における呼吸管理」という記事にコメントを頂いたので今回は痙攣発作やその他の重症心身障害児「者」でみられる事例を挙げていきたいと思います。


痙攣発作はいつくるか分からない!?

急性期における痙攣発作であればセルシンやミダゾラムなどのベンゾジアゼピン系薬剤
を使い鎮静を行い終了〜て感じですが、重症心身障害児(者)における痙攣は日常茶飯事の出来事です。そして問題となるのは人工呼吸器装着中の痙攣発作における人工呼吸との「兼ね合い」でございます。

当たり前のように痙攣というのは「不随運動」であるので人工呼吸器の吸気とぶつかる「ファイティング」が高頻度で起きてしまいます。もちろんファイティングがおきると患者への換気がうまくできないわけですから当然SpO2が下がったり~なんてことが起きるわけです。

痙攣 VS 人工呼吸器

とりあえず強制換気での人工呼吸は痙攣発作時なんの役にも立ちません。人工呼吸管理中の安全管理で必須なのが環境整備であり一患者に必ず用手換気デバイス(バッグバルブマスクやジャクソンリース)を置いておくことが必要とされています。




そんな用手換気ですが、バッグバルブマスクとジャクソンリースのどちらがいいかというと私はジャクソンリースに一票を入れます。


大きな理由としてはファイティングが起きても圧を逃してくれるため肺胞内圧が過剰圧にならないし患者の肺状態(コンプライアンスやレジスタンス)を感じながら換気できるからです。

といっても現実的にはコスト面を考えてディスポであるジャクソンリースよりもバッグバルブマスクを使用しているところがほとんどだと思いますが、すべての患者でなく特定患者はジャクソンリースといった形でもいいのかなと思います。


用手換気が1番!でも、こんなことしたことあります。


完全に邪道なのですが、痙攣時に人工呼吸器の換気モードが強制換気であれば下の図のようにファイティングが起きますし自発呼吸モードであればすぐに吸気が終了し多呼吸状態となります。

この状態を打開することができるモードがただ一つ…APRVモードオープンバルブ機能を使うわけです。


実際、重症心身障害病棟でAPRVやオープンバルブ機能を有するハイスペック呼吸器は使用しないと思うのでなんともいえませんが、APRVは重症酸素化障害に対し平均気道内圧を上昇する目的でIRV(逆比換気)的に使うような用途だけを指すのではなくそもそもは2相性のCPAPモードです。

このため一般的なPCV設定をAPRVて行えばファイティングはなくなり幾分リリース時の換気量も稼ぐことができます。(一般的PCVやPS換気と比べてですけど・・・)


ただ、痙攣ではないのですが…排痰補助装置のスマートベストを使用するときに痙攣のような多呼吸状態となり換気が落ちるため何度かAPRVに変えてみたりとしたのですが、ナースサイド的には「毎回呼吸モードを変えるのはちょっと…」となったので現実的にはやはり用手換気だと思います。
スマートベスト(https://ameblo.jp/mocchi-15/entry-11407594363.htmlより引用)


今回は特殊な事例をあげましたが、患者の状態から用手換気や薬剤使用などの選択ができるよう頭の中に入れてもらえてたらなと思います。